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映画「言の葉の庭」 感想 

新海誠の作品は、前作の星を追う子ども以外は見ている。胸がキュンキュンしちゃう作品が多いという印象と、絵がすごく綺麗っていう印象が強い。

 

今回はキャラデザに違和感がなかったので早めに見た。感想はネタバレ全開でございます。あしからず

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序盤は雨だというのにホンモノっぽいし何て綺麗な映像って思いと、ホンモノっぽいからひねくれてみるここまで現実の世界は美しくないっていう思いが映像を見た感想である。

だから、汚い部分、悪意とか嫌なやつとか欲しいなと思ってた所にユキノさんは嫌がらせをされ学校にいけなくなったっていう裏がわかり、けっこうわかりやすい嫌なやつってのが出てきた。(嫌がらせをしていた生徒たちね)

だけどなーんかイマイチだなぁと思った。そしてクライマックスの階段もイマイチ乗れなくて何だったんだこの作品は・・・というのが第一印象であった。

感想を書くにあたりクライマックスの消化不良は何でイマイチだと感じたのか考えると、自分のお望み通りの汚い部分だとかわかってきたのでいい作品だとおもいまつ

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まず、絵は美しいけど現実はそんなに美しくないと思ったのは、ホンモノっぽい映像、絵から比較するのは現実の風景なのに、現実の人間関係とか人間の汚い所とかと比較してしまったからだと思う。

後々気づいたが汚いと思える人間は、前述の嫌がらせをしていた生徒ではなく主人公タカオの兄や母親、ユキノさんやユキノさんの元彼だとかだ。大人汚いって!

本作における大人達の共通する所は、言葉で伝えないこと。言葉にしないけど知っていることわかること。色々経験して知識もあるから、わかってしまう。

兄は彼女に靴作ってくれないかの一言に、どうかな。10代の目標なんて。と流す。視聴者も成人を過ぎればわかる言葉であろう。諦めたり興味や目標が変わることが多い。だけれど、それをタカオ本人には言わない。本当は目標は変わるであろうと知ってるくせに、タカオが家で靴作りの作業を後ろで見ても何も言わなかった。(嘘でも)頑張れとか、(どうせ目標が変わるから)勉強しろよもだ。

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母親における言葉にしない。っていうのは設定だ。

父親がいないというのは、自分も彼氏のところに行くという発言からわかるが、では父親は死んだのか、離婚なのか。別居なのか。亡くなっているなら写真だとか映すだろうけど、なかったと思う。兄の苦労してないから若く見えるという発言があるが、何してる人なのかわかんないんだよなぁ。息子の靴作りについてどう思っているかも、きっかけがあなたへ送ったハイヒールだろうとことについても。

物凄く勘ぐってみれば、ハイヒール渡す回想シーンで兄とタカオの身長差がデカイ。兄はオフクロと呼ぶが、タカオはあの人と呼ぶ。家出した手紙は、お兄ちゃん&タカオへと書いてある。なーんか物凄く勘ぐっちゃうよね。

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ユキノさんの元彼との関係は、映像で説明された。いいよねこういうの。言葉では言わない。

言って教えてくれるのは、「別れた後も面倒かけてゴメンネ」というユキノさんのセリフだけ。ここでは、元彼の電話かけている場所はベランダからだが聞かれたくないからかも。もしくはタバコを吸っているから、部屋では吸えないかも。というか、部屋に人影がある。しかも女性っぽいぞ。不倫か?・・・電話を切って、ユキノの携帯画面が映るが一度ユキノから電話をかけている履歴があり、この電話は折り返し男から電話をかけてきている。最初の電話には妻か彼女がいるから出れなくて、合間を見つけたのだろう。表示の名前に先生もついてる。上には俺から伝えとくというセリフがあるように、ユキノさんも先生であろうことがわかる。

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んでユキノさんの言葉にしないけど教えてくれること

最初の出会いでユキノの目線がタカオの校章に目が言ってるし、以前に逢っているかもとと言って短歌っぽい古い言葉で残していくシーンで、もうタカオの学校の先生だって視聴者にはわかってたんですけどねー。

元彼との会話で味覚がチョコとビールにしか反応しないというセリフがあった。彼女の変化はあの公園で飲み物がビールからコーヒーに変わっているし終盤に映る部屋もビールはないし2人でコーヒーを飲む。部屋も綺麗になっているし確実に変わっている。

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クライマックスにタカオはユキノさんに知っててそういうことするんだとブチ切れるわけですが。

ユキノさんは2つ知ってて言葉にはしなかった。タカオが何かに憧れていうというのと、誰かに憧れているということ。その2つが叶いっこないってことも。汚い、大人さすが汚い。

でも、タカオのそういうところに救われるんすよ。あー俺もこうだったなー憧れてたよなぁー、もうそういうのは叶いっこないって知ってるけど。純粋っぽいじゃないっすか。大人にこう思われてるんだろって察するぐらいには大人で。あの場所に行くには雨が降っているという口実が必要ってのが男っぽくて。男って何かと理由、口実が必要ですよね。

言の葉の庭だから和歌で繋がった2人のようだけれど、俺には言葉にしないことと言葉にできたことで繋がった2人だとおもいましーたー

いい作品だけど大人汚くて嫌いって言いたいが、タカオに救われるのでムカつくんですよね。

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後、駄文。

キャッチコピーに「愛(あい)よりも昔、孤悲(こい)のものがたり」とあったけれども、ユキノてんてーが古文の先生だから昔とかけてんのかなーとか、愛の前には悲しい孤独があるんやでぇとかかね。あんまキャッチコピーにやんややんや言っても無駄だけど

それと設定の一部が耳をすませばに見えてしまって、あっこれは秒速以来のハートクラッシャー&ため息の連続かと身構えてしまった。偶然に異性と出会う、兄弟が家を出て行く、「部屋が広くなって嬉しいだろ」って似たようなセリフあり、バイオリンじゃないが手を使う職人でありその職につきたいと思っている、っていう所がね。思えばあんま気にするほどのことはなかったのだけれど